ファイナンシャルプランナー
氏家祥美さん
女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。女性活躍応援FPとして、働き方や夫婦?親子関係も含めたマネーアドバイスが好評。お金?仕事?時間のバランスのとれた幸福度の高い家計を追求。自身も2児の母。
ついて
2019年12月19日 iction!みらい家計シミュレーション
將來の家計を考える上で外せないのが、子どもの教育費。子どもは大學まで入れたいと思っているけれど、いくらかかるのか、どう準備すればいいのか、イメージできないという人も多いのではないでしょうか。そこで、そんな家計の悩みを數多く解決してきたお金のプロ、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに、教育費に関するアレコレを聞いてきました。お子さんがいらっしゃるご家庭も、これからパパ?ママになる方も必見です!
子ども1人につき、大學までの教育費はどのくらいかかるのでしょうか?
たとえば、いちばんお金がかからないのは「高校まで公立で、大學も國公立」の進學コースです。都市部以外の地域だと、わりと高校まで公立のことが多いですね。しかし、大學からひとり暮らしを始めることも多いため、その場合、學費に加えて毎月の仕送り費用がかかることに。この仕送りを含めると、総額で1400萬円くらいかかります。
進學先によっては仕送りについても考える必要があるんですね。都市部ではどんなケースがありますか?
私がご相談を受けているなかですと、都市部の共働き家庭が多いこともあると思いますが、「中學から私立中高一貫校に入學し、大學は私立文系」というパターンが多いです。この場合、受験にかかる費用なども合わせて試算すると、総額1900萬円くらいかかります。
また、ずっと公立希望でも、受験結果によっては高校から私立、といったように想定外に費用がかかってしまうこともありますよね。ほかにも、大學の學費は學部によってずいぶんと差があるので、文系の學費を想定していたら、理系に進學して學費が足りないということも考えられます。浪人したり、大學院に進學したりすれば費用がさらにかかりますよ。
確かに、學費だけじゃなく、受験料なども必要ですね。ほかにも教育費として見落としがちな費用などあれば、教えてください。
たとえば、制服代や教材代、遠足や修學旅行代です。また、子どもが大きくなると部活動のユニフォーム、道具類、遠征費などもかかり、意外と見落としがちな出費は多いですね。こうした費用も盛り込んで、多めの金額を想定し、準備することが大事ですね。
いろいろ見落としていました(笑)。全然お金が足りない気がします???。
必要以上に心配しなくても大丈夫です。將來の家計について細かくシミュレーションして不足分を実感できれば、今から備えることができますよ。たとえば専業主婦家庭の場合、ふたりで働くとどうなるか、いつからどんな仕事だったら無理なく始められるだろうか、などと建設的に考えることが大切です。少しずつ働いて30年間50萬円ずつ貯金すれば、1500萬円貯められますよ。
「幼児教育?保育の無償化」が始まり、"浮いた"お金を習い事に、と考えていますが、習い事にはどれくらいかけてもいいですか?
幼児教育?保育の無償化は、3~5歳のお子さんがいる家庭にとってはありがたい制度ですよね。幼稚園や保育所、認定こども園の利用料が原則無料となり、さらに幼稚園の預かり保育が1.13萬円/月まで、ベビーシッターや病児保育、ファミリーサポートなど認可外保育施設の利用料も3.7萬円/月まで無償になります。お金の余裕ができるなら、かわいいわが子に習い事を、と思ってしまうのも無理はありません。
でもちょっと待ってください。教育費は一度かけ始めると、減らすのは大変です。新たな習い事を始める前に、まずは將來の教育資金をちゃんと準備できそうか、見通しをたててみましょう。中學受験を考えている人は、小學校高學年から教育費のピークが始まり、大學卒業まで10年以上も続きます。高齢出産や年の差夫婦の場合、子どもがまだ大學生のうちに自分たちが定年を迎えたり、親の介護にかかる費用と教育費の出費が重なる可能性もあります。先々を見通すと、子どもが幼児期の今が貴重な教育費の貯め時ということに気づくかもしれません。
目先の負擔が少なくなることにばかり意識が向いていました???。
幼児教育?保育の無償化が始まっても、通園バス代、食材費、教材費、各種イベント費用など、自己負擔が続く部分もあります。無償化に浮かれず、実際にいくら負擔が減るのかを冷靜に確認してから、將來のために貯める部分は貯蓄を始め、殘りを習い事に使うなど、メリハリをつけられるといいですね。お金を貯めるときは「全體像を見てゴールから用意する」が鉄則。使いすぎを防ぐために、全部でいくら使えるか、どこに使いたいかをはっきりさせておきましょう。
2人目、3人目の學費はどう考えたらいいですか?
性別格差、兄弟格差などは、いまだによくある問題です?!袱证沥悚螭摔悉黏颏堡郡韦?、弟の僕にはかけてくれなかった」などと深刻な恨みを殘し、相続の際にトラブルになるケースもあるんです。2人目、3人目の子どもたちにも教育のチャンスは1人目と平等に用意準備しておくことが基本です。
奨學金制度を活用するというのは、どうでしょうか?
活用している方は少なくありません?,Fに大學生の5割近くが、なんらかの奨學金を利用しているという統計データもあります(※)。學費の一部を奨學金で賄い、毎月2萬円くらいを20年間ぐらいかけて返済する人は多いです。でも中には上限まで借りて、卒業後に毎月7~8萬円返し続ける人もいます。
※日本學生支援機構「平成28年度學生生活調査結果」より
月7~8萬円ですか!それは大変ですね。
そうなんです。新入社員のときから返済に追われてほとんど貯金ができず、結婚資金や住宅資金を準備する余裕もない...。もしそんなことになったら、子どもがすごく苦労することになってしまいます。大學院や留學費用など、想定外にかかった費用を負擔させるのは、子どもの経済観念を育てるためにもよいと思いますが、主要な費用を全て奨學金に頼るのは危険です。
奨學金にあまり頼らないようにするためには、教育費はやはり早いうちからの準備が必要ですね。
そうですね。働けるときに働くことで、その後のマネープランが大きく変わってきますよ。共働きなら、片働きより家計に余裕ができます。子どもが小さいうちは少ししか働けなくても、大きくなるにつれて所得が伸びていく可能性があれば、さらに自由度が増して選択肢を増やしていけます。子どもの將來のためにも、働くこと、働き続けるという選択もあるのではないでしょうか。
「いつ、どれくらいお金がかかるか」「我が家の家計はどれくらい余裕があるか」などを、早いうちにシミュレーションしてみることが大切です?!竔ction!みらい家計シミュレーション」ならそれらが一目でわかります。気になる教育費は、ご自身の希望に合った教育プランを5パターンから選ぶことができ、より具體的にイメージすることができます。是非チェックしてみてください。
「iction!みらい家計シミュレーション」は、現在の収入や、生活費?住居費といった支出、家族の狀況、今後のライフプランなどを入力することで、將來の家計を診斷できるツールです。
入力時間は約5分。パソコンやスマホを使って、誰でも無料で利用できます。面倒な登録や個人情報の入力も不要?!缸婴嗓猡郡沥谓逃Mってどのくらいかかるのかな?」「老後資金はいくら貯められる?」といった、気になる將來必要なお金をイメージすることができます。
例えば子どもの教育費の場合、教育費は「あまりかけない」「人並みにかける」「とことんかける」などの5段階から選択でき、學費だけでなく、習い事や塾代、大學進學時の仕送りまで幅広くカバー。選んだ教育費のイメージに合わせて、統計の平均費用をもとに金額が自動で算出?表示されます。
子どもの教育費に関心が高い方は、5段階それぞれシミュレーションしてみるのもおすすめ?!杆搅⒏咝¥螌W費はどのくらい?」「國立大學と私立大學の學費はどのくらい違う?」など、學費や教育費について、より具體的にイメージすることができます。
ぜひ一度、教育費を含めたみらいの家計をシミュレーションしてみましょう。
※本シミュレーションは年金?退職金を考慮しないため、65才までの結果表示となります
お話を伺った方
ファイナンシャルプランナー
氏家祥美さん
女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」代表。女性活躍応援FPとして、働き方や夫婦?親子関係も含めたマネーアドバイスが好評。お金?仕事?時間のバランスのとれた幸福度の高い家計を追求。自身も2児の母。